| 截金とは、金箔を切り、筆をあやつって、仏像や仏画に文様を施す、一種の装飾技法です。
歴史は古く、はるか千二百年以前に唐の国から伝えられたといわれています。けれど、そ
の伝統を重んじるあまりか、技法の特殊さゆえにか、一部の人のみが手がけるだけで、一
般の方々が愛好されることはおろか、その存在さえほとんど知られていませんでした。
現在、截金は、ようやく皆さまにも知られるようになってまいりました。各地の文化教室
で、仏像彫刻や仏画を楽しむ人びとが増えるにつれ、截金も自分の手で施してみたいそう
願う方がずいぶん多くなられたのです。
截金は、およそ三つの種類に分けられます。ひとつは、仏像荘厳としての截金。 木像の
仏さまの衣や宝冠、装身具に、文様を施します。
つぎに、仏画としての截金。たとえば私の場合ですと、父、宗琳の仏画を下絵として、截
金を施すことがあります。画面のすべてを、截金の線のみによって構成するのです。
また、彩色した仏画の衣や飾りに截金を施すこともあります。これは、仏像に文様を入れ
る場合と同じで、荘厳としての截金と申せます。
あとひとつは、工芸としての截金。漆器やガラス器、あるいは鎌倉彫り、七宝のアクセサ
リー、陶板など、工芸品に截金を施し、飾ります。趣味生のつよい截金ともいえるのです
が、それだけに個人の自由な発想が存分に生かされます。仏さまの世界のみにとどまらず
現代工芸の分野にも截金が生きているということは、皆様にも截金をさらに身近な者と感
じていただけるのではないでしょうか。
松久真や
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